診療支援
診断

ばち状指(ばち指)
clubbed finger
奈良 信雄
(日本医学教育評価機構 常勤理事/順天堂大学医学部 客員教授/東京医科歯科大学 名誉教授)

ばち状指とは

定義

 示指で,末節骨部分の厚みが遠位指節間関節部の厚さよりも大きい場合と定義される.健常者では爪と爪甲基部がつくる爪郭角が160°以内であるが,ばち状指では爪甲基部が盛り上がるために爪郭角が拡大し,あたかも指趾が太鼓ばちのような状態になっている〔図1,診察の進め方「部位別の身体診察 四肢」図2参照〕.

患者の訴え方

 「爪の形が変わってきた」「爪が反ってきた」などと患者が訴えることもあるが,身体診察で初めて見つかることも多い.変形以外の症状や徴候は乏しいが,肥大性骨関節症(hypertrophic osteoarthropathy;ばち状指,関節炎,X線で骨膜下骨増殖像を3徴とする)では,指の局所に疼痛を訴える.

患者がばち状指を訴える頻度

 先天性にばち状指がみられる強皮骨膜症〔pachydermoperiostosisまたはTouraine-Solente-Golé(トゥレーヌ

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