四肢痛とは
定義
四肢痛とは,上肢(上腕,前腕,手)または下肢(大腿,下腿,足)に痛みを訴える状態を指す.これには頸部から上肢,腰部から下肢への放散痛も含まれる.
患者の訴え方
患者は,「手が痛い」「腕がだるい」「足に痛みが走る」「ふくらはぎがしびれる」などと訴える.
局所が痛いのか,痛みが放散しているのか,鈍痛なのか,激痛なのか,倦怠感としてのだるさなのかを把握する必要がある.
患者が四肢痛を訴える頻度
整形外科外来患者のなかでは,四肢痛を訴える患者は10〜20%程度であり,脊椎由来の神経痛様症状が最も多い印象がある.
症候から原因疾患へ
病態の考え方
(図1)図
患者が四肢痛を訴える場合,まず具体的にどの部位かを明らかにする.また,それが四肢痛を訴えている局所の病変なのか,または頸椎,腰椎などの脊椎からの放散痛によるものなのかを鑑別する.さらに,内科的疾患による四肢痛もありうる.
四肢痛を引き起こ