構音障害とは
定義
構音障害は,末梢発語器官,すなわち構音に関与する舌,口蓋,口唇,喉頭などの構音筋群およびその支配神経系の障害による発語障害を指す.意図した音と異なる音が発せられたり,ほかの音が混じったり,音を省略したり,構音が不明瞭になったりする.
患者の訴え方
患者は,「発音がおかしい」「ろれつが回りにくい」「うまくしゃべれない」などと訴える.「言葉が出にくい」という場合には,失語症との鑑別が必要である.
患者が構音障害を訴える頻度
脳神経内科外来患者の約2%が構音障害を主訴に来院する.脳血管障害のなかでは10〜15%の患者で構音障害を認める.
症候から原因疾患へ
病態の考え方
(図1)図
構音障害を訴える場合,先天的な構音器官の異常や発育障害によるものか,後天的な疾患によるものかを考える.後天的な原因の場合,まず神経筋疾患が考えられる.神経筋疾患は,さらに中枢性疾患と末梢性疾患に分けて考えるこ