診療支援
診断

ショック
shock
矢崎 義行
(東邦大学医療センター大橋病院循環器内科)
中村 正人
(東邦大学医学部循環器疾患低侵襲治療学講座 教授)

ショックとは

定義

 ショックとは,生体に対する侵襲あるいは侵襲に対する生体反応の結果,重要臓器の血流が維持できなくなり,細胞の代謝障害や臓器障害が起こり,生命の危機に至る急性の症候群と定義される.日本語では急性全身性循環障害,末梢循環不全あるいは末梢循環障害といい,細胞障害が生じるため,末梢血管の虚脱,静脈還流の減少,心拍出量の低下,組織循環能力の低下などの循環機能障害を呈する.

 収縮期血圧が90mmHg以下の低下を指標とすることが多いが,明らかな血圧低下を認めないこともある.

患者の訴え方

 ショックを患者自ら訴えることは少なく,不眠,せん妄,不穏,全身倦怠感,四肢冷感,頻呼吸,発汗などが非特異的な訴えである.急な不穏の発生や意識の変化があった場合は,ショックを疑う必要がある.

 ショックは急速に進行する病態であり,必要に応じて早期に治療介入を行わないと,重篤な状態に陥る可能性が高い.患者の訴え

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