急性中毒とは
定義
急性中毒とは,なんらかの外因性の物質に人体が急性に曝露したためにさまざまな症候を呈する病態である.理論的には,あらゆる物質がその許容範囲を超えて曝露されれば急性中毒を起こしうる.しかし,自殺や犯罪などの目的のために計画的に入手した毒薬物や,工場などで職業上曝露しうる薬品やガスの類を除けば,臨床的に遭遇しうる一般的な中毒の原因は患者の身近にある物質のことが多く,その種類はある程度限られている(表1)図.この定義に従えば,統合失調症患者などにおける水中毒も含まれることになるが,臨床的には中毒ではなく症候性低ナトリウム血症として扱われるため本項では扱わない.また毒薬物によって発症した特殊な場合を除いて,細菌性の感染性腸炎などの食中毒は臨床的には中毒ではなく感染症として扱うため本項では扱わない.
患者の訴え方
急性中毒の患者の訴え方は,その原因となる毒薬物によって症状が異なるため非
関連リンク
- 内科診断学 第4版/意識障害
- 治療薬マニュアル2024/アトロピン硫酸塩水和物《硫酸アトロピン アトロピン硫酸塩 アトロピン》
- 治療薬マニュアル2024/ブドウ糖《ブドウ糖 ブドウ糖》
- 治療薬マニュアル2024/フルマゼニル《アネキセート》
- 今日の治療指針2024年版/有機溶剤中毒
- 今日の救急治療指針 第2版/CPAOA(SIDSを含む)
- 急性中毒診療レジデントマニュアル 第2版/F 「死へのエネルギー」の評価とトリアージ──急性中毒治療の5大原則(5)
- 今日の診断指針 第8版/中毒患者へのアプローチ
- 今日の診断指針 第8版/有機溶剤中毒
- 今日の精神疾患治療指針 第2版/有機溶剤依存症
- 今日の精神疾患治療指針 第2版/精神科救急の診療