現病歴:50歳時に喘息を発症,吸入ステロイドと症状悪化時のステロイド内服が開始となった.その頃から嗅覚が低下し,難聴も出現.ステロイドの内服を行うと嗅覚と難聴が改善するが,やめると悪化する.異嗅症はない.
既往歴:気管支喘息,他は特記することはない.
生活歴:喫煙歴なし,飲酒歴なし.
家族歴:特記することはない.
身体所見:経鼻内視鏡で両側の鼻腔(嗅裂,中鼻道)に鼻茸の多発を認める.
【問題点の描出】
成人発症型喘息に合併する嗅覚障害で,ステロイド内服で改善する.鼻内に多発性の鼻茸を認める.
診断の進め方
特に見逃してはいけない疾患
・頭蓋底腫瘍(髄膜腫など)
・神経変性疾患に伴う嗅覚障害
・好酸球性肉芽腫性血管炎
頻度の高い疾患
・慢性鼻副鼻腔炎による嗅覚障害
・感冒後嗅覚障害(COVID-19を含む)
・特発性嗅覚障害(多くは加齢変化と考えられている)
・外傷性嗅覚障害
この時点で何を考えるか?
医療面接と身体診察を総合