診療支援
診断

背部痛(安静時痛もある)
78歳 男性
中村 孝志
(京都大学 名誉教授)

現病歴:1週前より背部痛が誘因なく出現.近くの整形外科を受診し,胸椎の単純X線検査後,非ステロイド性抗炎症薬の内服と湿布薬の処方を受け,経過観察となる.しかし,疼痛が軽快せず,独歩にて当院整形外科を受診した.

既往歴:不整脈,糖尿病,脂質異常があり,他院内科にて投薬を受けている.5年前に胃癌の手術を受けている.

生活歴:事務職で勤務していたが現在は無職である.ADLは問題ない.

家族歴:母は胃癌,父は糖尿病と高血圧.

身体所見:中肉中背.発熱なし.独歩可能.四肢の機能障害はない.軽度の円背はあるが脊椎の変形は認めず,棘突起や傍脊椎筋部の叩打痛や圧痛は認めない.神経学的な異常も認めない.両足背動脈は触知良好.

【問題点の描出】

亜急性の経過の背部痛を訴える78歳の男性.

①はっきりした疼痛の原因(打撲など)がない,②発熱を認めず,ADLの状況から疼痛は中程度である,③神経学的な問題はない.

診断の進め方

特に

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