診療支援
診断

もの忘れ
73歳 男性
東田 和博
(岐阜大学大学院脳神経内科学分野 非常勤講師)
吉倉 延亮
(岐阜大学大学院脳神経内科学分野 講師)
下畑 享良
(岐阜大学大学院脳神経内科学分野 教授)

現病歴:退職後から意欲低下を徐々に認めていた.X−1年夏頃から1人で考え込み,悩むことが多くなった.また直近のことを忘れることも多くなり,妻に繰り返し聞くようになった.食欲や睡眠はとれており,体重減少はなかった.X−1年冬頃にはこれまで自分で行っていた確定申告などの事務手続きを順序立てて行うことができなくなった.もの忘れ,意欲低下が悪化してきたため,X年12月初旬に当科に紹介され受診した.

既往歴:不安神経症(50年前),逆流性食道炎,便秘症.

服薬歴:ラベプラゾールナトリウム(1回1錠,1日1回,朝食後),メトクロプラミド錠5mg(1日2〜6錠,2〜3回に分割,食前),センナ(1回1錠,1日1回,眠前),酸化マグネシウム(1回1錠,1日3回,毎食後).

生活歴:68歳で定年退職.飲酒は日本酒2合/日.喫煙は現在は禁煙(20本/日,53年間).

家族歴:類症や血族結婚なし.

身体所見:身長1

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