症候を診るポイント
●初期対応を身につける.
●てんかんとけいれんの違いを理解する.
●原因検索と治療を同時に進めていく.
▼定義
けいれんとは「自分の意思とは無関係に,全身または一部の筋肉が発作的に収縮する状態」を指す.さまざまな原因で引き起こされ,てんかん発作もその1つである.てんかんは病名で,けいれんは病態であることを理解する.筋肉が収縮したままの状態となる強直性けいれん,収縮と弛緩を繰り返す間代性けいれん,その両方の特徴をもつ強直間代性けいれんの3タイプがある.
▼病態生理
けいれんは中枢神経系のニューラルネットワークに電気的に過剰な刺激が起こったときに出現する.頭蓋内病変,電解質異常,内分泌異常,薬剤性などさまざまな原因で引き起こされ,原因不明なことも多々ある.
▼初期対応
まずは緊急性を確認するため,救急対応の原則ABC(A:airway,B:breathing,C:circulation