疾患を疑うポイント
●高気圧酸素療法や人工呼吸器による呼吸管理中には,過剰な酸素による中枢神経系と肺における傷害の可能性を考える.
学びのポイント
●高濃度酸素を長時間吸入することにより気道粘膜や肺胞が傷害されるため,可能なかぎり酸素濃度を下げることを理解する.
▼定義
生体の解毒機能を超えた過剰な高濃度酸素吸入が,中枢神経系と肺に有害な作用をきたした状態.肺においては,気道および肺実質傷害を発現する.
▼病態
高濃度酸素により産生されたスーパーオキシドアニオンなどの活性酸素中間体(reactive oxygen intermediates:ROIs)による直接的な肺胞傷害と,それにより活性化された炎症細胞から放出されたサイトカイン,フリーラジカルなどによる間接的な肺傷害が発現する.ほかの原因による急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)