疾患を疑うポイント
●中高年で冠危険因子を有する症例.
●突然発症した前胸部痛,圧迫感,絞扼感で冷汗,嘔気など随伴症状を伴う.
●20分以上持続する,新たに出現するようになった胸痛,より軽度の労作や安静時に生じるなど増悪する胸痛はACSを疑う.
学びのポイント
●ACSは粥腫の破綻と血栓を共通の基盤とする病態を指し,心筋梗塞,不安定狭心症,心臓突然死が包括される.
●心筋壊死は心内膜側から心外膜側へ経時的に進展する.心筋の壊死は不可逆的であり,40%以上の左室心筋が一気に壊死に陥ると心原性ショックを呈する.
●ACSはST上昇の有無で初期のトリアージがされ,ST上昇型ACSは冠動脈の完全閉塞が示唆される病態で緊急での再灌流療法が選択される.非ST上昇ACSは短期リスクの評価を行い,高・中等度リスク症例は早期侵襲的治療戦略を選択する.
●ST上昇を認める誘導から責任冠動脈の推測が可能であり,経時的な心電図変
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