学びのポイント
●特徴的な連続性雑音のみで疑いがかかる病態であり,左室容量負荷と肺高血圧の合併に注意する.
▼定義
動脈管は胎生期に右室-肺動脈からの血液の約90%を下行大動脈に送る役割を担っている.生後,動脈血酸素分圧の上昇と血中プロスタグランジンの低下に伴い生後1~2日で通常閉鎖するが,遺残した場合に動脈管開存となる.
▼病態
高圧系の大動脈から低圧系の肺動脈への左右シャントの原因となり,内径の大きさがそのシャント量による肺高血圧症発症リスクを規定する.高肺血流は左室容量負荷になり,肺高血圧発症は右室への後負荷をもたらす.肺高血圧の進行により,左室容量負荷は軽減し病態は右室への圧負荷が主体と変化する.Eisenmenger(アイゼンメンゲル)化では,著明な圧負荷と軽度から中等度の容量負荷により右室は著明に肥大し軽度拡張する.この時期には左室の前負荷は低下するため,残存する肥大と右室に圧排され