診療支援
治療

【1】先天性心疾患
congenital heart disease(CHD)
丹羽 公一郎
(聖路加国際病院・心血管センター特別顧問)

疾患を疑うポイント

●病歴聴取により小児期の心臓手術の既往,心雑音,先天性心疾患の指摘.

●心雑音の聴取,胸部の手術創.

学びのポイント

●成人の先天性心疾患はすでに50万人で,今後も増加.

●疾患群は多種類だが,成人期に注意すべき問題点は心不全,不整脈,妊娠出産など共通している.

●心臓血管手術後の患者が多く,成人期の再手術を必要とすることもある.

●成人先天性心疾患は,年齢とともに合併症を伴い,突然死を起こすこともあるため,生涯の経過観察と合併症の予防が大切.

▼定義・病態

 胎児期の心血管の発生時期にすでに形態異常を伴う疾患群であり,多種の疾患があるが,さらに,疾患ごとに細分化されることが多い.

▼疫学

 大動脈肺動脈吻合術などの姑息術ではなく,心臓の内部を修復する心内修復術が行われるようになり,それまでは20歳までは生存することが難しかった中等症や重症の先天性心疾患の多くが,成人を迎えることができるよう

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