▼病因
本疾患の病因は今なお不明である.タバコに対するアレルギー,慢性の反復外傷,抗リン脂質抗体や血清セロトニン,プロテインS欠乏などの血液凝固系の異常,血管のれん縮,ホルモン異常などが指摘されてきた.また明らかな地域性があることから感染症の関与も疑われてきた.近年,血管炎を起こす刺激要因として,ANCA,抗内皮細胞抗体(anti-endothelial cell antibodies:AECA)といった自己抗体の関与や,内皮細胞上の細胞接着因子やT細胞が関与する免疫応答による血管炎の可能性も報告されている.さらに最近では,歯周病菌の関与の可能性も指摘されている.
▼疫学
ASO患者が増加する一方,Buerger病の患者数は減少傾向である.2009年のBuerger病による難病指定患者のうち,臨床診断基準をすべて満たす患者は4,000例程度と推定される.30~40歳代で発症する患者が約70%
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