内分泌系ホルモンやペプチド蛋白は,心血管機能と密接に関連しているため,腺組織の機能不全や組織学的変化に伴う各種ホルモンの分泌過剰あるいは分泌不全が生じると,心血管病をもたらすことがある.機序としては,当該ホルモンの絶対的機能的過不足により,脂質,糖代謝などへの影響,直接的心筋細胞障害,血管平滑筋障害などを生じ,これによって心血管系への影響をもたらすと考えられる.
➊下垂体ホルモンと心血管疾患
下垂体前葉からは,GHやACTH,プロラクチンが分泌され,これらは心血管疾患に寄与する代表的ホルモンである.また,下垂体後葉からは,水利尿を調整するADHやオキシトシンが分泌される.
1)先端巨大症(acromegaly)
GHの過剰分泌により,身体の変化や代謝異常を伴う疾患であり,原因のほとんどがGH産生下垂体腺腫である.有病率は人口10万人あたり4~24人と比較的まれな疾患であるが,約6割に心疾患の
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