疾患を疑うポイント
●低ビタミンB12血症,悪性貧血.
●高ガストリン血症.
●胃体部のみの胃粘膜萎縮.
学びのポイント
●抗壁細胞抗体,抗内因子抗体が産生され,胃体部に慢性活動性胃炎が生じ,胃粘膜萎縮をきたす.自己免疫的(autoimmune)機序に基づくことからA型胃炎とよばれてきた.
▼診断
上部消化管内視鏡検査を行い,胃体部を中心とした胃粘膜萎縮を認める.ガストリン濃度と血中抗壁細胞抗体,抗内因子抗体を測定する.血清ペプシノーゲン濃度も診断に有用である.
▼治療
長期の高ガストリン血症による神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)のリスク,萎縮した胃粘膜からの分化型腺癌のリスクがあるので,定期的に内視鏡検査を行う.また,ビタミンB12,貧血についても経過観察を行い,必要な場合は補充を行う.
実習のポイント
◉必ず確認する問診事項
□上腹部症状:酸に関連するものかどうか
□胃癌・