診療支援
治療

3 門脈圧亢進性胃症
portal hypertensive gastropathy(PHG)
田邉 聡
(北里大学教授・新世紀医療開発センター)

▼定義

 門脈圧亢進性胃症は,門脈圧上昇を背景とする胃粘膜のうっ血が強く関与し,胃粘膜に発赤を主体とする病変が出現する.これは,食道・胃静脈瘤と同様に,肝硬変症における致死的な消化管出血の原因となることが知られている.

▼病態

 門脈圧亢進症に伴う胃粘膜のうっ血が強く関与している.組織学的には細胞浸潤などの炎症性所見に乏しく,粘膜内の毛細血管,集合細静脈の拡張,

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