診療支援
治療

(1)特発性門脈圧亢進症
idiopathic portal hypertension(IPH)
瀬川 誠
(山口大学医学部附属病院・漢方診療部准教授)
坂井田 功
(山口大学大学院教授・消化器内科学)

▼定義

‍ 肝内門脈末梢枝の閉塞,狭窄により門脈圧亢進症に至る原因不明の症候群である.食道胃静脈瘤,脾腫など門脈圧亢進症症状を呈するが,肝硬変でないことが診断のポイントとなる.

▼病態

 原因は不明である.免疫異常,幼少時からの反復感染症,金属や化学物質への曝露,肝内血管の先天異常などが考えられている.

▼疫学

 年間の受療患者数の推定値は640~1,070人(2005年全国疫学調査)で,男女比

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