ざっくりわかる肝・胆・膵疾患
炎症性疾患と腫瘍性疾患に大別されますが,臓器によって両者の関連が異なります.
肝の場合は,ウイルス肝炎→,自己免疫性肝炎→,肥満ないし飲酒による脂肪性肝炎→などが原因で,肝線維化が進展して肝癌を併発します.しかし,胆の悪性腫瘍は必ずしも炎症性疾患を基盤とせずに発生し,その炎症性疾患は癌,結石による閉塞性下に,細菌感染症を併発する場合が重要です.一方,膵では膵癌→が慢性膵炎に続発したり,膵囊胞性腫瘍→が膵炎を惹起したりする場合があります.ただし,肝癌とは異なって背景臓器の炎症,線維化との関連は希薄で,膵癌など腫瘍性疾患は胆道癌と同様に,閉塞性黄疸の原因疾患として理解すべきです.
A 肝構成細胞の構造と機能を基に肝機能検査値を理解する
肝を構成する細胞は,実質細胞である肝細胞,肝細胞と同一の幹細胞から分化する胆管上皮細胞および肝の毛細血管である類洞の壁細胞(肝類洞
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