診療支援
治療

(5)ビタミンB1欠乏症
武田 英二
(専門学校健祥会学園・校長)

 ビタミンB1は骨格筋,心筋,肝臓,腎臓,脳に多く,約50%は筋肉に存在する.生物学的半減期は9~18日と短く,持続的な補給が必要である.チアミンは小腸上部で吸収された後,リン酸化されてコエンザイムA(CoA),リポ酸,ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(nicotinamide adenine dinucleotide:NAD)などとともに酸化的脱炭酸反応の補酵素として作用する.チアミン酵素にはピルビン酸脱水素酵素,α-ケトグルタル酸脱水素酵素,トランスケトラーゼの糖・エネルギー代謝酵素およびα-ケトイソカプロン酸,α-ケト-メチル吉草酸,α-ケトイソ吉草酸をそれぞれイソバレリルCoA,α-メチルブチリルCoA,イソブチリルCoAに変換する分岐鎖ケト酸脱水素酵素がある.このように,ビタミンB1はエネルギー産生および神経活動電位の発生や神経伝導に関与する.

 ビタミンB1欠乏の原因として食

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