診療支援
治療

自己免疫性溶血性貧血
autoimmune hemolytic anemia(AIHA)
亀崎 豊実
(自治医科大学地域医療学センター・地域医療支援部門教授)

学びのポイント

●貧血と黄疸を診た場合には溶血を疑い,血液検査で溶血の存在を確認.

●溶血性貧血の半数は,直接抗グロブリン(Coombs)試験陽性の温式AIHAであり,副腎皮質ステロイドが有効.

▼定義

 赤血球膜上の抗原と反応する自己抗体によって赤血球が傷害され,血管外(脾臓や肝臓)溶血あるいは補体活性化により血管内溶血を起こし,貧血をきたす.

▼分類

 自己抗体が赤血球に結合する至適温度により温式(37℃)と冷式(4℃)に分類される.前者は温式AIHAであり,後者はさらに寒冷凝集素症(cold agglutinin disease:CAD)と発作性寒冷ヘモグロビン尿症(paroxysmal cold hemoglobinuria:PCH)とに分類される.温式AIHAとCADが併存する場合は混合型とよぶ.温式AIHAの20%程度に特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocyto

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