疾患を疑うポイント
●ほとんどの患者は男性.
●関節内や筋肉内などの特徴的な深部出血症状を呈し,反復する出血傾向あるいは単回の重篤な出血(頭蓋内出血など)の既往,家族歴を確認することにより,血友病を疑う.
●血液検査では,PT正常,APTT延長を示す.
学びのポイント
●血友病はFⅧあるいはFⅨが量的・質的異常をきたす先天性出血性疾患.
●伴性劣性遺伝なので通常男性にのみ発症し,出血症状は関節内出血や筋肉内出血が特徴的.
●血液検査でPT正常,APTT延長を示し,FⅧあるいはFⅨ活性が低下する.
●出血時の治療の原則は,欠乏しているFⅧ(FⅨ)をできるだけ早期に補充する.
●FⅧ(FⅨ)製剤を反復投与すると,FⅧ(FⅨ)に対する同種抗体(インヒビター)が発生することがある.
▼定義
血液凝固第Ⅷ因子(factorⅧ:FⅧ)あるいは凝固第Ⅸ因子(factorⅨ:FⅨ)の量的,質的異常による先天性出血性疾患であ
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固因子活性検査 第Ⅶ因子 [保] 223点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固因子活性検査 第ⅩⅢ因子 [保] 223点(包)
- 新臨床内科学 第10版/【6】その他の先天性凝固因子欠乏症
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