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治療

2 関節リウマチに伴う腎病変
renal lesions in rheumatoid arthritis(RA)
廣村 桂樹
(群馬大学大学院教授・腎臓・リウマチ内科学)

▼定義

 関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)は関節滑膜を主座とする慢性多発関節炎であり,進行すると関節の破壊,変形をきたす〔第13章「関節リウマチ」の項()も参照〕.全身性エリテマトーデスにおけるループス腎炎のような疾患特異的な腎病変はないが,RA患者では薬剤性腎障害,アミロイド腎症,メサンギウム増殖性糸球体腎炎など種々の腎病変がみられる.

▼病態

 臨床的には薬剤性腎障害の頻度が最も高い〔本章「治療薬による腎病変」の項()を参照〕.

 アミロイド腎症は,AAアミロイドーシスにより生じる.AAアミロイドーシスは前駆蛋白である血清アミロイド(serum amyloid A:SAA)が,プロセッシングを受け線維構造をもつアミロイドAとなり,全身臓器に沈着する疾患である.SAAは急性炎症蛋白の1つで,炎症に伴い産生される.RA,炎症性腸疾患,気管支拡張症,結核,自己炎症性疾患などの炎症性疾患でSAA高値が持続し,AAアミロイドーシスを発症する.

 腎臓はアミロイドが沈着しやすい臓器であり,糸球体,血管壁,尿細管基底膜,間質に沈着する.光顕ではHE染色で好酸性均質の無構造に染まる沈着物として観察される.臨床的には蛋白尿が出現し,徐々に腎機能が低下する.時にネフローゼ症候群をきたす.

 メサンギウム増殖性糸球体腎炎は,RA患者の腎生検でしばしばみられる組織像である.わが国ではIgA腎症の頻度が高く,欧米ではIgM腎症が多い.RAにおける免疫異常や炎症性病態が関与している可能性が考えられるが,詳細は不明である.

▼疫学

 RA患者に検尿異常や腎機能低下を認めることは多く,20~40%の患者でなんらかの異常がみられる.腎生検を施行したRA患者の腎組織型について,わが国の報告では,膜性腎症(薬剤性腎障害を含める)が最も多く,ついでメサンギウム増殖性糸球体腎炎(IgA腎症を含

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