診療支援
治療

6 造影剤による腎障害
contrast-induced nephropathy(CIN)
谷口 義典
(高知大学学内講師・内分泌代謝・腎臓内科)
寺田 典生
(高知大学教授・内分泌代謝・腎臓内科)

▼定義

 造影剤腎症(contrast-induced nephropathy:CIN)の定義に関しては,日本腎臓学会,日本医学放射線学会,日本循環器学会の3学会合同で作成された「腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2012」により定められている.これによると,ヨード造影剤を投与後,72時間以内に血清クレアチニン値が,前値(基礎値)より0.5mg/dL以上,または25%以上増加した場合をCINと定義されている.CINは通常,1週間程度で回復する可逆的な機能障害であるが,時に不可逆的な腎機能障害・不全に至るケースもある.CINを起こすヨード造影剤は,薬剤性腎障害の原因薬剤のなかで4番目〔NSAIDs(25.1%),抗がん剤(18%),抗菌薬(17.5%),造影剤(5.7%)〕に腎障害を引き起こしやすい薬剤として知られている.

▼病態

 CINの危険因子は,大きく患者側因子と非患者

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