疾患を疑うポイント
●他臓器の悪性腫瘍を有する患者での進行性神経症状出現.
●多発性頭蓋内病変として発見されることが多い.
学びのポイント
●CT,MRIで多発性頭蓋内病変として発見されることが多い.
●腫瘍周囲に広範な脳浮腫を伴い,症状の進行が速い.
●原発巣としての他臓器悪性腫瘍の治療中に発見されることが多いが,転移性脳腫瘍の症状が初発となることも珍しくない.
▼定義
他臓器の悪性腫瘍細胞が血行性に頭蓋内に移行し腫瘤を形成したもの.
▼病態
他臓器の悪性腫瘍の一部が,血管内に浸潤し,血行性に頭蓋内に到達して,腫瘤を形成する.中枢神経にはリンパ組織が存在しないため,リンパ行性の転移はない.腫瘍の種類により,発育速度は異なるが,一般的に増殖速度は速く,腫瘍周囲に広範な脳浮腫を伴うことから,神経症状は急速に進行することが多い.頭蓋内のどこにでも腫瘤を形成するが,脳の体積に応じて,前頭葉腫瘍が最も多い.また,