診療支援
治療

3 結核性髄膜炎,結核腫
tuberculous meningitis,tuberculoma
森田 昭彦
(日本大学准教授・神経内科学)

疾患を疑うポイント

●結核流行地域や免疫能が低下している患者に亜急性経過の髄膜炎が生じたときに強く疑う.

●髄液では単核球優位の細胞増多と糖の低下,蛋白上昇をみるのが典型である.髄液からの塗抹培養検査による菌の証明はしばしば困難であり,高感度PCR法による検出が有用である.

学びのポイント

●発熱と頭痛が亜急性の経過で増悪する患者では結核性髄膜炎を念頭におく.

●病因確定診断(髄液からの結核菌の検出)には時間を要し,しばしば困難である.一方で,結核性髄膜炎は治療の遅れが転帰不良に直結する神経救急疾患であり,結核性髄膜炎と臨床診断したらただちに抗結核薬による治療を開始する.

●結核性髄膜炎に対して,イソニアジド,リファンピシン,ピラジナミド,エタンブトールの4剤併用で開始する.

▼定義

 ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)による肉芽腫性髄膜炎である.

▼病態

 結核菌感染

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