診療支援
治療

1 ギラン-バレー症候群
Guillain-Barré syndrome(GBS)
桑原 聡
(千葉大学大学院教授・脳神経内科学)

学びのポイント

●先進国で最も頻度の高い急性四肢麻痺性疾患.

●重症例では呼吸筋麻痺を呈するため,重要な神経救急疾患.

●先行感染因子と末梢神経構成成分の分子相同性による発症が証明された唯一の疾患.

▼定義

 先行感染(胃腸炎,上気道炎)の1~2週後に急性に発症する運動優位多発ニューロパチーであり,自己免疫性機序が推定されている.

▼病態・分類

‍ 脱髄型軸索型に大別される.1916年の原著報告以来,本症候群は脱髄性の末梢神経障害とされてきたが,1990年代に入り軸索が一次性に障害される軸索型Guillain-Barré(ギラン-バレー)症候群の概念が確立された.軸索型においてはグラム陰性菌であるCampylobacter jejuniの感染後に菌体外膜に発現するガングリオシドGM1・GD1a様構造に対する抗体が産生され,運動神経軸索のガングリオシドと交叉反応するという分子相同性による発症機序がほぼ確

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?