診療支援
治療

1 重症筋無力症
myasthenia gravis
松井 真
(金沢医科大学教授・神経内科学)

疾患を疑うポイント

●日内変動を示す眼瞼下垂や複視,筋力低下などの自覚症状がある.

▼定義

 外眼筋や骨格筋の神経筋接合部における神経伝達物質であるアセチルコリンによる刺激伝達が,後天的な自己免疫機序を介して障害されることにより発症する疾患である.

▼病態

‍ アセチルコリン受容体(acetylcholine receptor:AChR)に対する抗体は,AChRに結合し有効に機能するAChRの数を減少させる,あるいは補体の活性化を通じて運動終板のシナプス後膜を破壊するなどの機序を通じて,神経筋接合部での刺激伝達を阻害する.筋特異的チロシンキナーゼ(muscle-specific tyrosine kinase:MuSK)に対する自己抗体は,MuSKと複合体を形成するLDL受容体関連蛋白4(LDL receptor-related protein 4:Lrp4)との相互作用を阻害することで,また抗Lr

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