診療支援
治療

3 X連鎖無ガンマグロブリン血症
X-linked agammaglobulinemia(XLA)
金兼 弘和
(東京医科歯科大学寄附講座教授・小児地域成育医療学)

▼定義

 乳幼児期から細菌感染症を繰り返す男児で,ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)遺伝子異常により低ガンマグロブリン血症と末梢血B細胞欠損を特徴とする.

▼病態

 B細胞は骨髄において造血幹細胞から抗原非依存性に遺伝子再構成を行い,プロB細胞,プレB細胞,未熟B細胞へと分化する.末梢血においては移行B細胞を経て,成熟B細胞へと分化する.成熟ナイーブB細胞から胚中心内で抗原依存性に分化して,メモリーB細胞となり,最終的に免疫グロブリンを産生する形質細胞へと分化する.BTKはプレB細胞受容体およびその下流に存在するシグナル伝達分子であり,骨髄における前駆B細胞分化に必須である.したがって,XLAではプレB細胞以降の分化障害を認め,末梢血B細胞欠損ならびに低ガンマグロブリン血症を呈する.

▼疫学

 発症頻度は出生男子20万人に1人程度とされる.わが国でも200例以上の患者が存在する.

▼分類

 臨床的にX

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