▼定義・分類
生下時からの慢性好中球減少(末梢血好中球の絶対数が500/μL以下)と易感染性を示す疾患群〔第8章「好中球減少症,無顆粒球症」の項(→)も参照〕.すでに10数種類以上の責任遺伝子が同定され,慢性好中球減少以外に特徴的な臨床症状を有する症候群も含まれている.特に,好中球絶対数が200/μL以下を呈する重症先天性好中球減少症では骨髄像で,前骨髄球,骨髄球での成熟障害がみられる.代表的なものについて表13-30図に示す.
▼疫学
わが国での先天性好中球減少症の報告登録数は100例前後であり,100万出生に1~2人の割合と推測されている.
▼病態
先天性好中球減少症全体からみると,ELANE異常が半数,HAX1異常,糖原病Ⅰb型,Shwachman-Diamond(シュワックマン-ダイヤモンド)症候群の頻度が多い.HAX1異常はてんかん,発達障害などの神経系の合併が多く,かつてはKost
関連リンク
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