診療支援
治療

蜂巣炎(蜂窩織炎)
Cellulitis, Phlegmon
斎藤 政克
(医療法人宝生会PL病院 部長〔大阪府富田林市〕)

【疾患概念】

 細菌感染により皮膚の真皮深層から皮下脂肪組織に波及する,びまん性の急性化膿性炎症である.通常は皮膚のバリア機能の破綻により細菌が侵入して炎症を引き起こすが,明らかなバリア機能の破綻がなくても,血流感染などで発症することもある.また,化膿性骨髄炎や化膿性関節炎などの深部感染が,二次的に皮膚や皮下組織へ波及して生じることもある.

【頻度】

 片側の下肢,特に下腿に好発する.顔面も好発部位であるが,整形外科を受診する場合は下肢に出現したものが対象となることが多い.

【臨床症状または病態】

 皮膚の境界不明瞭な発赤,腫脹,熱感,圧痛を伴う硬結がみられる.また,膿瘍を形成する場合もある.


問診で聞くべきこと

 蜂窩織炎のリスク因子の有無について確認する.

 ①皮膚のバリア機能の破綻:外傷,皮膚炎,虫刺され,潰瘍など.

 ②既存の皮膚感染症の存在:白癬,膿痂疹など.

 ③免疫不全状態:糖尿病,免疫抑制薬,

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?