診療支援
治療

平滑筋肉腫
Leiomyosarcoma
當銘 保則
(琉球大学大学院 准教授)

【疾患概念】

 平滑筋肉腫は平滑筋への分化を示す肉腫である.悪性軟部腫瘍の5~10%を占め,脂肪肉腫,未分化多形肉腫(悪性線維性組織球腫)に次いで多く発生する.中高年に好発するが,まれに小児にも発生する.後腹膜・骨盤内に多くみられ(50%),四肢・体幹の深部,皮膚・皮下組織,下大静脈などの大血管などに発生する.四肢発生では大腿に好発する.

【臨床症状と病態】

 四肢・体幹では発生部位に神経が近接していない場合,無痛性腫脹や腫瘤として発見されることがほとんどである.後腹膜や下大静脈に発生した場合は,腫瘍の増大・圧迫により腹部膨満や嘔気・嘔吐,腹痛が初発症状となることがある.骨盤内・大腿静脈に発生すると,下肢浮腫が初発症状となることがある.

 四肢および体幹発生例では,局所再発が10~25%,遠隔転移が35~45%に生じる.5年および10年累積生存率はそれぞれ約65%,50%である.遠隔転移はほとんど

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