【疾患概念】
X連鎖性劣性遺伝形式をとる低身長の症候群として1939年にJacobsenが“hereditary osteochondrodystrophia deformans”として1家系を報告し,1971年にBannermanらが,Jacobsenの報告例を再調査してX連鎖性SED tardaとして報告したものが最初の論文である.①X連鎖性劣性遺伝,②5~14歳で認識される低身長,③脊椎の低形成による体幹短縮,④単純X線画像上central humpを伴う椎体の扁平化,⑤大腿骨骨頭および頚部の低形成,⑥他の骨には所見が乏しい,の6項目を特徴とする疾患として記載されている.2019年の骨系統疾患国際分類の改訂では,脊椎・骨端(・骨幹端)異形成症(SE(M)D)に分類されている.正確な発生頻度は不明であるが,日本整形外科学会小児整形外科委員会による骨系統疾患全国登録では,1990~201