【疾患概念】
中間肢(前腕や下腿)短縮型の低身長を呈する疾患で,SHOX遺伝子異常に起因する.思春期に低身長と手関節や肘の変形が顕著となる(図7-23図).その頃に運動時痛や運動制限を訴えることがあるが,20歳を過ぎる頃にはやや軽減する.
【臨床症状】
低身長は思春期以降さらに顕著となる.手関節変形については,橈骨遠位端成長軟骨の掌尺側部が早期に閉鎖することから,橈骨の弯曲が増大し,橈骨遠位端の傾斜角が増大する.また,それにつれて手根骨は掌尺側に亜脱臼を呈し,尺骨頭は背側に突出する(Madelung変形).肘関節変形は,橈骨全体が尺骨に比して短縮することにより,外反肘を呈する.手関節部の変形による神経症状出現や,高齢者では伸筋腱断裂の報告がある.
必要な検査とその所見
上肢の単純X線・CT:橈骨の弯曲と短縮,橈骨遠位端尺側傾斜角・掌側傾斜角の増大,下肢全長単純X線像で下腿の相対的短縮をみる(