1.診断のポイント
足関節・足部の変形と痛みをきたす疾患を知ること,疼痛の部位を詳細に評価すること,変形の特徴を知ること,これらができれば診断はほとんどの場合可能である.
乳児期にみられる変形は,先天性内反足,内転足,垂直距骨,外反踵足,巨趾症,合趾症,多趾症がある.
幼児期では,小児期扁平足,思春期では腓骨筋痙性扁平足がある.足根骨癒合症が腓骨筋痙性扁平足の原因となることが多い.癒合症では足部,特に距骨下関節の回内外運動制限が認められる.
成人期では,変形性足関節症,成人期扁平足,外反母趾,強剛母趾,内反小趾,ハンマー足趾変形などがあり,視診,触診で診断は比較的容易である.
全身疾患に足の変形が生じることがあるので注意する.糖尿病ではCharcot footとよばれる神経病性関節症を呈することがある.関節リウマチでは足趾変形(扁平三角状変形)が多く,歩行障害からサルコペニアの原因になり得