【疾患概念】
外脛骨とは足部舟状骨の二次骨化核のことで,人口の約13~15%に認める足部にある過剰骨の1つである.この外脛骨に骨化障害が生じることで発症する.急激な強い運動負荷や足関節捻挫が症状発現の契機となる.
【頻度】
発生頻度は10%未満,5%前後という報告が多い.10~13歳の学童期にみられ,女性と比較してやや男性に多いといわれている.
【臨床症状】
足部内側(舟状骨結節)に著明な骨隆起を認める.同部位の腫脹,発赤,疼痛が主症状で,強い圧痛を認めることも多い.外脛骨に付着する後脛骨筋機能の低下により,足部内側縦アーチの低下(扁平足)が生じる.重症では内果周囲(特に後方),後脛骨筋腱の走行に沿った腫脹と圧痛を認める.
必要な検査とその所見
足部2方向の単純X線を行い,外脛骨が確認できれば,臨床症状と併せ診断できる.2方向で不明瞭であれば,斜位像を含めた4方向での確認および外脛骨撮影を追加するとよい.外脛骨撮影は足部正面より約10°または20°前方に向けて照射する撮影法で,通常の正面像では重複する舟状骨と外脛骨が鮮明に描出される.外脛骨の形状により3つのtypeに分けるVeitchの分類がある(図28-50図).荷重位撮影で,足部内側縦アーチの低下も確認しておくべきである.CT撮影は外脛骨と母床との境界面の状態(変形)が確認でき,治療方針の決定に有用な情報が得られる.超音波エコーでも,外脛骨の有無と後脛骨筋腱の状態を観察することができる.
診断のポイント
①運動負荷の継続だけでなく,足関節捻挫後遺症として発症することも多い.
②舟状骨結節の著明な骨隆起,腫脹,発赤,圧痛が重要な所見となる.
③単純X線4方向,外脛骨撮影に加え,超音波エコーで診断可能である.CT撮影は治療方針を決定する際に有用である.
治療方針
【1】保存療法
まず保存療法を選択する.学童期に発症した場合,症状は骨成長が停
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