診療支援
診断

小児の紫斑・出血傾向
Purpura and Bleeding Tendency in Childhood
大賀 正一
(九州大学教授・小児科学)

緊急処置

 出血の部位と量から全身状態を評価し,貧血の程度に応じて酸素を投与する。眼底と頭蓋内,気道,消化管や尿路など深部・内臓出血を疑って,画像診断を進め外科的止血介入の必要性を判断する。

診断のチェックポイント

定義:出血傾向とは自然にあるいはごく軽微な外力で出血し,止血困難となる状態である。紫斑(purpura)は,点状出血(petechia;<3mm,赤色の毛細血管性出血)と斑状出血(ecchymosis;≥3mm,青紫の皮下出血)に分類され,広範なものは溢血斑(suggillation)とよばれる。しばしば圧痛を伴う皮下血腫を触れる。

【1】病歴

❶出血歴:初発時期が疾患で異なる。血小板,凝固因子,血管および他の異常から出血歴を検討する。

新生児期の主症状は臍出血とメレナである。臍出血では第ⅩⅢ因子欠乏症,無フィブリノゲン血症,α2プラスミンインヒビター(α2PI)欠乏症などを,メレナで

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