緊急処置
【1】高度の低ナトリウム(Na)血症(120mEq/L以下など):意識レベルの低下やけいれんを呈し,脳浮腫による脳ヘルニアが生じうる。
❶低Na血症をすみやかに改善させるために3%高張食塩水を点滴投与する。
❷ただし,血清Na濃度を急速に上昇させると浸透圧性脱髄症候群が生じやすいので,血清Na濃度を頻回に測定し,その上昇は24時間で10mEq/L以下とする。
❸血清Na濃度が120mEq/Lに達するか神経症状が改善した時点で3%高張食塩水の投与は中止する。
❹補正前の血清Na濃度が110mEq/Lを下回る低Na血症,あるいは低カリウム(K)血症,低栄養,急性アルコール中毒,肝障害などを伴う場合は,よりゆるやかに血清Na濃度を補正する。
【2】高度の高Na血症(150mEq/L以上など):意識障害,けいれんを呈する場合は5%ブドウ糖液を用いて血清Na値の補正を行う。急速な補正に伴う脳浮腫を回避