緊急処置
【1】糖尿病性ケトアシドーシスでのインスリン加療や,神経性やせ症,飢餓への再栄養の際に生じた血清リン濃度1.0mg/dL未満の急性低リン血症:ヘモグロビン酸素飽和性低下やATP産生減少による意識障害,不整脈,心不全,呼吸不全などのリスクであり,点滴リン製剤(リン酸カリウム,腎不全があればリン酸ナトリウム)による血清リン濃度2.0mg/dLまでの緩徐な補正を検討する。
【2】過換気による呼吸性アルカローシスに伴う急性低リン血症や,慢性低リン血症:血清リン濃度1.0mg/dL未満でも緊急処置は不要。
診断のチェックポイント
●定義:施設の基準値や年齢によるが,成人では一般に血清リン濃度2.5mg/dL未満を低リン血症という。
【1】病歴
❶くる病の家族歴,両親の血族婚(表1図の1-①,2-①,3)。
❷骨粗鬆症,骨折(表1図の1,2,3,4)。
❸テタニー(表1図の2-①・②,5)。
❹腫瘍性疾患(表