診断のチェックポイント
●定義
❶認知症:国際疾病分類(ICD-10)の定義によれば,認知症(dementia)とは,いったんは正常に発達した知的機能が後天的な脳器質性疾患が原因で低下した状態で,認知機能が複数領域(注意,実行機能,学習と記憶,言語,知覚-運動,社会的認知)の障害により日々の活動において自立が障害されている症候群である。意識の混濁はない。
❷軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI):MCIはこれよりも軽症で,認知機能の低下はあるが,日常生活動作は維持されているものであり,この点が認知症と異なる。
❸鑑別すべき疾患:せん妄,うつ病といった偽認知症,妄想性障害,薬物性精神障害などが鑑別の対象となる。
【1】病歴
❶患者から聴取する病歴情報は信頼性に欠けることがあり,家族による患者の観察に基づく情報は重要である。
❷Alzheimer型認知症(Alzheime
関連リンク
- 今日の診断指針 第8版/Alzheimer型認知症
- 今日の診断指針 第8版/血管性認知症
- 今日の診断指針 第8版/Lewy小体型認知症
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/4 認知症の主な原因疾患
- 臨床検査データブック 2023-2024/認知症 アルツハイマー型認知症(AD),(脳)血管性認知症(VaD),レビー小体型認知症(DLB), 前頭側頭葉変性症(FTLD)
- 内科診断学 第4版/知能障害
- 新臨床内科学 第10版/【6】記憶障害
- 新臨床内科学 第10版/【14】認知機能障害
- 新臨床内科学 第10版/6 偽性認知症
- 新臨床内科学 第10版/【1】認知症総論
- 今日の診断指針 第8版/Parkinson症候群(進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症を含む)
- 今日の診断指針 第8版/多系統萎縮症