診断のチェックポイント
●定義:跛行とは正常歩行ができない状態であり,原因となる病態から疼痛,変形や関節拘縮(脚長差を含む),筋力低下(下位運動ニューロン病,筋疾患など),歩行運動制御系の障害(知覚麻痺を含む)によるものに大別することができる。
【1】病歴
❶いつから跛行に気づいたか:脳性麻痺や発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)では処女歩行時より跛行がみられる。
❷思いあたる原因や契機はあるか:脳卒中,Parkinson病,外傷(関節靱帯損傷,骨折など),変形性関節症など。
❸どのような歩容か:自分の歩き方がどうおかしいか,他人に指摘されることはあるか,速く歩けない,転びやすいなど。
❹歩行時痛はあるか(疼痛回避性跛行)。
❺どのようなときに起こるか:特定の動作時に出現するものもある。変形性関節症では歩行開始時に跛行が目立つ。
❻跛行以外の異常はあるか:知覚鈍麻,筋力低下,しびれ,疼痛,上肢体幹の症