診断のチェックポイント
●定義
❶腹部膨満感の分類
■物理的に測定可能な腹囲の増大や画像診断による消化管の拡張所見などの腹部膨隆があるもの:悪性疾患などに起因する消化管閉塞の初期の症状などの器質性疾患,まれではあるが器質性閉塞機転の見つからない偽性腸閉塞症,さらには腹水貯留や腸管ガスの過剰な貯留(small intestinal bacteria overgrowth:SIBO)などの物理的原因などによる(図1図)。
■特に器質性異常が見当たらないが膨満感を訴えるもの(機能性腹部膨満症):過敏性腸症候群,慢性便秘,食物アレルギー,消化不良症候群や月経前症候群などでみられる。
❷腹部膨満の原因:呑気症(空気を無意識に飲み込んでいること)が原因と考えられていたが,呑気症による腹部膨満はかなりまれである。
【1】病歴
❶まずは悪性疾患や器質性疾患の鑑別を念頭にいつから腹部膨満があるのか,体重減少や血便の有無,