緊急処置
【1】全身状態に問題ない場合は,比較的緊急性を要することは少ないと考えられる。ただし,全身症状を呈している場合は,尿の色調異常が,緊急対応の必要性を示唆することがある。
【2】尿の色調であるが,入院患者において,導尿バックでの尿の色を見る以外は,日常診療,特に外来診療において,医師が直接チェックすることは少なく,患者の訴えにて初めて知ることが多い。また,患者自身が,尿の色を見ていないこともある。まずはときどき,尿検査を施行。可能であれば尿の色を医師が直接確認,または,患者にときどき,尿所見を尋ねることから着色尿へのアプローチが始まる。
【3】尿の色の変化が,全身疾患を示唆するものなのか,あるいは,薬剤などで影響を受けただけで緊急性を要しないものなのかの鑑別が必要性である。
診断のチェックポイント
健常者における尿の色調は,主にウロクロム(黄色)色素による。その他,少量のウロビリン(橙茶色