診療支援
診断

圧挫症候群(クラッシュ症候群)
Crush Syndrome
小倉 裕司
(大阪大学大学院准教授・救急医学)

診断のポイント

【1】受傷機転

❶長時間に及ぶ四肢の圧挫とその解除(倒壊家屋や家具の下敷きからの救出など)。

❷長時間の運動制限,股関節や肩関節の異常屈曲(昏睡患者でみられる体位性圧挫など)。

【2】四肢理学所見:患肢の運動・知覚麻痺。

【3】尿所見:ミオグロビン尿(赤褐色~黒色尿)。

緊急対応の判断基準

 一般に3~4時間以上の圧挫で発症するが,1時間以内で発生した報告もある。震災などで救出直後に心停止に至った症例もあり,救急現場から緊急対応を考慮する。

【1】受傷機転からまず疑い,救急現場から緊急治療を開始することが重要。

【2】救出中からの輸液(生理食塩液または1号輸液を1~1.5L/時で開始)が重要。

【3】災害現場で救出されて圧挫症候群が疑われる場合,集中治療(持続血液ろ過透析など)が可能な高次医療施設(被災地外)への緊急搬送が必須。

症候の診かた

 1)長時間圧迫による骨格筋の虚血・損傷,2)圧迫解除

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?