診断のポイント
【1】運動症状が中心で感覚障害が目立たない。
【2】頭部MRIで上部脳幹,大脳基底核などに脳炎像。
【3】粘膜・皮膚症状(口腔内アフタ,結節性紅斑様皮疹,外陰部潰瘍など)の併発または既往。
【4】ヒト白血球型抗原(HLA)-B51陽性,髄液インターロイキン-6(IL-6)の増加。
【5】精神症状,運動失調,構音障害などの緩徐進行(慢性進行型)。
症候の診かた
【1】口腔内アフタ性潰瘍:多発性,再発性で大型。
【2】外陰部潰瘍:激痛性の深い潰瘍。
【3】結節性紅斑様皮疹:四肢,特に下腿前面に対称性に好発する有痛性皮下硬結。
【4】痤瘡様皮疹・毛囊炎様皮疹,皮下表在性血栓性静脈炎などもみられる。
【5】眼症状:虹彩毛様体炎または網膜ぶどう膜炎。発作を繰り返すと失明の危険がある。
【6】脳炎:上部脳幹,大脳基底核などに好発。中心症状は錐体路症状や失調症状で,感覚障害は目立たない。ほかに頭痛,眼球運動障害