診断のポイント
【1】両下肢の痙性対麻痺(錐体路徴候)。
【2】血清・髄液中の抗ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)抗体陽性。
【3】高頻度に排尿障害・便秘を伴う。
【4】全国の患者数は約3,000人,発症平均年齢は40歳台で,1:3と女性に多い。
症候の診かた
【1】初期症状:歩行の違和感,足のつっぱり感,しびれ,転びやすい,頻尿などの症状で始まる。
【2】運動障害:胸髄の傷害による進行性の両下肢痙性対麻痺を認め,次第に歩行不能となり,体幹筋の筋力低下により寝たきりとなる場合もある。多くは緩徐進行性であるが(緩徐進行群),約10%の患者は,発症から2年以内に歩行不能となる場合(急速進行群)もあり,注意を要する。一方で,発症から10年以上でも歩行障害が軽微で進行がきわめてゆるやかな患者(進行停滞群)もまれに存在する。神経学的所見としては,両下肢の深部腱反射亢進,Babinski反射陽性,足クロー
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