診療支援
診断

単ニューロパチー
Mononeuropathy
黒川 勝己
(川崎医科大学総合医療センター脳神経内科・特任准教授)

診断のポイント

 それぞれの神経の単独の障害症状を認める。圧迫性機序による単ニューロパチーは他項〔手根管症候群()など〕を参照。

【1】Bell麻痺

❶一側の顔面神経障害。

❷急性発症。

❸他の神経障害を認めない。

【2】動眼神経麻痺

❶一側の動眼神経障害。

❷他の神経障害を認めない。

緊急対応の判断基準

【1】動眼神経麻痺

❶瞳孔散大を伴う一側動眼神経障害を認めた場合:内頸動脈-後交通動脈分岐部(internal carotid-posterior communicating:IC-PC)動脈瘤の可能性があるため可及的すみやかに頭部MRI,MR アンギオグラフィ(MRA)などで確認する。

❷意識障害を認める患者に一側動眼神経障害を認めた場合:脳ヘルニア(鉤ヘルニア;側頭葉の鉤が天幕切痕から脱出して中脳を圧迫する脳ヘルニア)あるいはIC-PC動脈瘤に伴うくも膜下出血の可能性を考え,直ちに頭部CTで確認する。

症候

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