末梢神経に由来する疼痛を一般に神経痛とよぶ。痛みは発作性である。
[Ⅰ]三叉神経痛††
診断のポイント
診断基準を表1図に示す。
【1】中年期以降に発症する。女性に多い。
【2】一側三叉神経支配領域,特に第Ⅱ,Ⅲ枝領域(口唇,頰,歯肉,下顎)に限局したピリッとした電撃痛を反復する。
【3】鼻唇溝,オトガイの狭い領域に痛みの誘発点を有することが多い。
【4】洗顔,髭剃り,会話,歯磨きなどの些細な刺激で誘発される。
【5】痛みは,昼夜を問わず数週間は頻回に出現。数分の1秒~2分以内に消失し,間欠期は無症状。
症候の診かた
【1】激痛のため,罹患側のしかめっ面をしばしば誘発する。
【2】典型的(特発性)三叉神経痛:第Ⅱ,Ⅲ枝領域の疼痛が大半。明らかな顔面感覚鈍麻はない。
【3】症候性三叉神経痛:顔面感覚鈍麻を伴い,第Ⅰ枝領域にも症状を呈しうる。
検査所見とその読みかた
【1】典型的三叉神経痛:MRI,MR アンギオグラ
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