診療支援
診断

筋萎縮性側索硬化症
††
Amyotrophic Lateral Sclerosis (ALS)
漆谷 真
(滋賀医科大学教授・脳神経内科)

診断のポイント

【1】通常一肢の筋力低下や構音障害で始まり,麻痺や筋萎縮が数か月単位で隣接する部位に拡大する。両上肢の近位部(flail arm型),四肢遠位での発症(偽性多発神経炎型)や痙性四肢麻痺が遷延する病型もある。体重減少がほぼ必発である。

【2】脳幹,頸髄,胸髄,腰仙髄由来の随意運動に関する筋群の萎縮と筋力低下,上位・下位運動ニューロンの徴候をとらえる(表1)。診断は理学所見と筋電図により行う。診断基準は,改訂El-Escorial診断基準やUpdated Awaji基準(表2)が使用される。

症候の診かた

【1】筋萎縮と筋力低下:徒手筋力テストによって筋力を評価し,全身の筋萎縮を観察する。特に舌における筋萎縮や,手内筋において母指球筋と第一背側骨間筋(図1の➡)の萎縮に比べ,小指球筋(図1の⇨)の萎縮が目立たないsplit hand atrophyはALSを示唆する所見である。

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら