診療支援
診断

急性膵炎
Acute Pancreatitis
眞嶋 浩聡
(自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科・教授)

診断のポイント

【1】上腹部に急性の腹痛発作と圧痛を認める。背部への放散,嘔気・嘔吐などを伴うこともある。

【2】血中または尿中にアミラーゼやリパーゼなどの膵酵素の上昇を認める。

【3】超音波(US),CTまたはMRIで膵腫大,膵実質内部不均一,膵周囲への炎症の波及や液体貯留を認める。

【4】アルコール性膵炎や胆石性膵炎の頻度が高く,飲酒歴や画像検査での胆石の有無に注意が必要。

【5】急性膵炎の診断基準を参照(表1)。

緊急対応の判断基準

【1】急性膵炎と診断したら,直ちに全身モニタリング,基本的治療(輸液など)を始めると同時に,予後因子スコア,造影CT Grade(表2)により重症度を判定する。

【2】重症急性膵炎の死亡率は高く,ICU管理,インターベンション治療や内視鏡治療などが可能な医療施設への移送を検討する。

症候の診かた

【1】腹痛

❶急性発症の上腹部を中心とした腹痛と圧痛。90%以上が腹痛を訴え

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